判例から見る美容外科手術

寝転んで笑顔

説明の義務

訴訟の判例をまとめて紹介するサイトの中には、医療関係訴訟の判例のみをまとめたものも存在しています。
その中には当然、医療行為の一つである美容外科手術に関する判例も掲載されています。
ほとんどが患者が原告ですが、裁判で原告の訴えが認められるものは、被告である美容外科クリニック側の説明不足によるところが大きくなっています。

ある判例では、多汗症の治療と脱毛手術を受けた女性が原告、手術を行なった医師が被告となっていました。
医師は独自の多汗症・腋臭の解消手術を行なっており、その方法は「傷跡がわずか1~2センチですむ」というものだったといいます。
女性は体に傷跡を残したくなく、残る傷の小さいこの方法で多汗症の治療を行いました。
しかし、実際には非常に大きな傷が残り、女性は医師に説明が不足していたとして損害賠償請求を行なったのです。
この判例では、「もしも大きな傷が残るとわかっていたら手術を受けなかった」という女性の言葉が鍵となり、手術の決断に重要な情報を正確に提示しなかったとして、医師の説明義務違反が認められ、女性の勝訴となりました。